後遺障害等級/弁護士法人堀総合法律事務所(大阪市中央区)

後遺障害等級

交通事故により傷害を負った場合、被害者が被る精神的・肉体的な障害は後遺症として認定されます。
そして、回復の見込めない後遺症として等級に認定されたものを、後遺障害といいます。

後遺障害について損害賠償を請求する場合、後遺障害等級認定を受ける必要があります。
以下、後遺障害等級認定について説明していきます。

後遺障害等級認定は、被害者の怪我が後遺障害として認定されるための条件となります。

そして、後遺障害等級認定を受けるために、まずは、症状固定についての医師の診断を受けることが必要となります。治療を継続しても、これ以上回復を見込めない状態を症状固定といいます。
症状固定後に、尚残存した障害は、等級認定を受けることにより、全て後遺障害として扱われます。

時に、保険会社から、「治療費の支払い打ち切りのため、すぐに症状固定をしてください。」と連絡が来る場合があります。しかし、症状固定は、医師が決定する事項であり、保険会社が決定する事項ではありません。そのため、被害者は保険会社からこのような連絡が来た場合でも、それに従う必要はありません。

症状固定の判断は、等級の認定に際して重要となるため、時間をかけて慎重に判断することが重要です。

尚、後遺障害等級認定は、原則として書面主義が採られています。そのため、原則として提出した書面でのみ審査が行われます。仮に書面に不備がある場合、不備のある書類を基にして審査が行われるため、その事項については認定されないこととなるため、注意が必要です。

後遺障害等級には、1級から14級あり、数が大きくなるほど、その障害の程度は小さくなり、加害者へ請求できる賠償額が減少していきます。そのため、被害者としては、できるだけ1級に近づくよう努めていくこととなります。

次に、後遺障害等級認定の申請についてですが、まずは、医師に診断書を用意してもらい、後遺障害診断書を申請します。

この後遺障害診断書の申請には、以下の2種類があります。

■事前認定
事前認定は、保険会社を経由させて申請します。保険会社を経由させるため、被害者が行うことは、後遺要害診断書を医師に書いてもらい、加害者側の任意保険会社に送るだけであり、手続きが簡便です。しかし、加害者側の保険会社が手続きを行うため、加害者の都合の良い認定がされる恐れがあり、被害者の満足のいく等級を得ることができない可能性が高いという難点があります。

■被害者請求
被害者請求は、被害者が直接手続きを行います。保険会社に手続きを依頼しないため、手間はかかりますが、より詳細な情報を載せることができます。また、被害者の施窮したい事項を、他者に干渉されることなく記載することができます。
しかし、上述の通り、書類に不備がある場合は、後遺障害等級認定をされない恐れがあるため、慎重に書類を作成することが重要です。

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