自営業を営む方や普通の会社員のような「個人」を経済的な困窮から脱するための法制度として、個人再生手続があります。個人再生の手続きでは、通常再生よりも手続きを迅速に進めることができます。
まず、どのように個人再生を進めるかについて、2つの方法が用意されています。1つ目の方法は、将来にわたって継続的な収入を見込める人に対して行う個人再生です。これは小規模個人再生といいます。2つ目の方法は、将来の収入額が確実に把握することのできる人に対して小規模個人再生よりもさらに迅速に再生計画を成立させることのできる方法です。これは給与所得者等再生といいます。いずれにせよ通常再生よりも迅速な対応がなされます。
個人再生手続の流れとしては、
①個人債務者は、個人再生手続きの開始を申し立てる前に、債権者の氏名や債権額などを記載した「債権者一覧表」を提出する
②個人再生の手続きを利用したい人が再生手続開始の申立てを行い、再生手続開始決定を受ける(申立人である個人債務者は再生債務者と呼ばれる)
③手続開始後は再生債務者の債権者は個別に権理行使することが許されず、手続開始の際に定められる債権の届出期間内に債権を再生債権として届けなければならない
④再生債権の弁済を中心とした再生計画案が作成され、これを裁判所が認可する
⑤認可された再生計画案を再生債務者が遂行していく
というようになります。
注意すべきことは、第1に、再生債務者は手続開始後も引き続き自己の財産を管理・処分することができ、自営業を営む場合は営業も続けることができるということです。第2に、再生債務者は将来にわたり継続的にまたは繰り返し収入を得る見込みがあり、再生債権の総額が500万円以下でなければ、個人再生手続を利用することはできない(再生債務者になることはできない)ことです(民事再生法221条1項)。
以上が個人再生手続の大まかな流れになっております。
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個人再生の手続きの流れ
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